おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

七色に発光する僕の体

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〇〇六

そっとカーテンを引いたが、七色に発光する僕の体は

室内に鮮やかな乱反射をもたらし、

あっさり君にふり向かれてしまう。

おはよう、僕は堅い表情で全身を晒してみせるが、

スウプを温めていたらしい君は素知らぬ体で

味見皿を差し出した。

「昨晩の残りにセロリを足してみた」

「ふん、好きじゃない。僕は食べないからな」

 

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お題「思い出の味」