縁の欠けたビーカー
〇一七
「教授にもらったんだ」
縁の欠けたビーカー、ジャムだかピクルスの空瓶、
上級生から譲りうけたのに違いない粗悪な酒瓶、
それに十余りの球根を乗せたパレット。
特に苦もなく床へ下ろす様に、
思いのほか筋力があるのだなと訳もなく感心した。
「水、汲んできてよ」
褐色の酒瓶を押し付けられ、廊下に出た途端、
僕は同級の寮生達に見咎められやしないかと
あらぬ誤解を受けやしないかと足がすくんだ。
教授にもらったんだ一緒に育てよう。縁の欠けたビーカー、ジャムだかピクルスの空瓶、上級生から譲りうけたのに違いない粗悪な酒瓶それに十余りの球根を乗せたパレットを床に下ろした。水を汲んできて。褐色の酒瓶を押し付けられ廊下に出た途端僕は同級の寮生達に見咎められやしないと足元がすくんだ。
— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2018年1月7日