おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

縁の欠けたビーカー

f:id:Sakananokimochi:20180109153836p:plain

 

〇一七

「教授にもらったんだ」

縁の欠けたビーカー、ジャムだかピクルスの空瓶、

上級生から譲りうけたのに違いない粗悪な酒瓶、

それに十余りの球根を乗せたパレット。

特に苦もなく床へ下ろす様に、

思いのほか筋力があるのだなと訳もなく感心した。

「水、汲んできてよ」

褐色の酒瓶を押し付けられ、廊下に出た途端、

僕は同級の寮生達に見咎められやしないかと

あらぬ誤解を受けやしないかと足がすくんだ。

 

【kindle ことことこっとん】

 

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ  

 

お題「今年やりたいこと」

 

スパイス 球根用 バルブベース ショート KEGY4060

スパイス 球根用 バルブベース ショート KEGY4060