おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

君の匂いは地に落ちた花殻みたいにわずかも残っていなくって

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〇二六

夜、僕はいつも通り自分のベッドにひとり横たわった。

こんなことをするのは、とてつもなく恥ずかしいばかりか、

もういっそ自分自身をひどく貶めてやりたい気持ちで

一杯になるのに、昨晩の君の残り香を僕は、

毛布に、シーツに、枕元に探さずにいられなかった。

けれども君の匂いは地に落ちた花殻みたいに

わずかも残っていなくって、

すんと鼻先で吸い込んでしまうと、

もうあっけなく消えてなくなってしまうのだった。

 

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