おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

過剰すぎる光合成能力を僕へと移譲させていった

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〇三二

僕は、あの生物学教授をなじり責めたてた。

然るべき行為だったと疑わない。

あいつは自身の研究のため、とどまるところを知らない

高揚感に身を任せ、完全なる興味本位で

君と僕との身体を実験体として扱った。

君はわかっていて、あいつの好きなようにさせていた。

そうして時間をかけ、過剰すぎる光合成能力を

僕へと移譲させていった。

君の自由と引き換えに、君の体温と引き換えに。 

 

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