おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

君の身体は、徐々に木質化していった。

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〇三八

ざまあみろ、と言ってるんだ。

君は君のすべてを僕に差し出して、もう二度と目覚めない。

君の身体は、徐々に木質化していった。

僕が閉じ込められたと思い込んでいたこの温室は、

実のところ君という生命を永遠に培養しつづけるための

装置だったわけだ。

まったく、くだらないことをしてくれた。

それともまさか、君は僕が為すであろう行為まで予測して

こんな勝手をしたのだろうか。

だとしたら、ほんとう莫迦だよな。

 

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お題「もう一度行きたい場所」

おとぎ話のそのつづき、もしかしたら

僕たちはそんなものをなぞっているのかもしれない。

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