おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

あの頃の僕は意識でしかなかった。

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〇四七

僕は怖れたのだろうか。

独りで生きていくということを、

誰かに置き去りにされる可能性を。

君という検体と出会うまで、

僕はギムナジウム入学することすらかなわず、

研究施設で全身を管に繋がれ、かろうじて生かされていた。

あの頃の僕は意識でしかなかった。

からだなんてものは知りようもなかった。

触れられてはじめて、僕は肉体を知ったのだ。

他者とは、僕にとってすなわち体温だった。

 

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お題「あったかグッズ」

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*ひとりじゃだめなわたしを満たしてくれる✿