おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

2018-02-05から1日間の記事一覧

甘露をいただいているように僕には見えた

〇三六 「いったい誰の涙を舐めたのさ」 思い返せばあれが、僕らのいちばんの大喧嘩だった。 「ねえ、どうして苦いなんて知ってるんだよ。 僕は泣いている子の頬を伝うあれを愛しそうに 舌先ですくってあげている上級生を見たことがあるよ。 あれは全然苦く…