おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

男という生き物はどこまでも愚かだ。

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男という生き物はどこまでも愚かだ。愛したつもりで、簡単にその手のひらを翻す。わたしたちが、女という生き物が、いくらでも自分たちを抱きとめてくれると信じ込んでいる。頭をなで、ひざを貸し、愛しているとささやけば、安心しきって寝息を立てはじめる。それはまるで赤子のようだ。だから可愛らしいと、小さな嘘や裏切りくらいなら、簡単に許してしまう。

るりちゃんるりちゃん、と猫なで声で言い寄って、背後から懐からおへそをなぞって、わき腹から肩甲骨まで舌先をつかって這い、片手で包み込めるゆるやかなふたつの丘に頬を寄せ、または鼻先を遊ばせて、すべてを受け入れてやればやるほど、彼らは驚くほど従順で、幼稚で、愛らしい生き物になりはてた。

そうして、わたしのお腹の子はやってきた。

みんな、茜ちゃんのことが好きだったはずなのに。わたしがちょっとちょっかいを出したら、もうどっちでもよくなってしまうのだった。こんなに馬鹿で愛らしい生き物はほかにない。物分かりがよければなおのこと。後腐れなくシンプルに、かつ愛情深く労り深い。大抵の男の子たちは等しくやさしかった。求めないこと、それが絶対条件だ。

彼らはつねに、彼ら自身の存在価値をわたしたちのなかに見出そうとする。投げやりにうっちゃってしまってはもったいない。満たしてやれるのは、結局のところわたしたちだけなのだから。

「いい子ね」

茜ちゃんを愛したつもりの彼らの子どもが、わたしのお腹のなかで育まれて、大きくなって、うごめいて、十月十日、産まれてくる。

 

 

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