おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

君が夜を縫いとめていく

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〇〇一

ひりつく背中に、ますます夜がこぼれ落ちてくるのだ。

薄笑いを浮かべた君が僕を見ている。きれいだね。

お願いだ、やさしい言葉なんてかけないでくれ。

僕は君の恍惚を垣間見られさえすればそれで。

背骨に沿って、脇腹からくびれを這って、

君が夜を縫いとめていく。

すると夜は再び発光するのだ。

やあ、僕は綺麗だろうか。

 

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お題「書初め」

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