おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

僕にとっての宿り木

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〇一六

僕にとっての宿り木ともいえる君の体質は極めて植物的で、

時間さえあれば足繁く学院の生物学教授のもとへと通っていた。

それは自身の特殊な体質を研究の一助として役立ててもらう

ためだと公言していたが、

あらぬ噂で囃したて嘲笑する低俗な輩も少なからずいた。

あれは奴のような庇護者を抱えて、つね欲求不満なのだよ云々。

思えば僕も、奴らと変わらぬ愚昧な色眼鏡で君を見ていた。

 

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