おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

過去の遺物保管所と化している図書室にとじこもった

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〇二〇

君は夏の暑い日がとても苦手だった。

まるで北極熊が冬ごもりのため穴を掘り、

そこで出産・子育てするように、

湿度・温度が完全管理された、いまとなってはもはや

過去の遺物保管所と化している図書室にとじこもった。

僕らの生態はすでに遺伝子レベルで

ありとあらゆる知識を記憶するに至っており、

紙の本など無為なもとのみなされていた。

 

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今週のお題「体調管理」

北極ライフ

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