おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

僕は、君を見つけた。

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〇二三

「ヒヤシンスの花言葉を知ってるかい」

「知るわけないよ」

「そっか」

ふふんと鼻を鳴らし、やっぱり君は僕のことなどそっちのけで、

瓶の中を乱反射する水と光の移ろいを見つめている。

意味を教えてくれるつもりはないらしい。

しかし、この至極簡易的な管理下で育まれる植物の成長は、

僕の中に巣食う卑屈さを物言わずほどいていった。

はたして君の策略か、教授の入れ知恵か。

どちらでもいい、僕は、君を見つけた。

 

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今週のお題「私のアイドル」

美しい花言葉・花図鑑‐彩りと物語を楽しむ‐

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