おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

吐息まじりの声は夜の底からとどくお別れ

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〇二四

昨晩、君は僕のベッドで眠った。

僕は拗ねて明け方までライティングビューローの天板に突っ伏し、

いつも君が使っているひざ掛けを肩から被って、

そのうちに寝落ちていた。

冷え込みが最もひどくなる夜明け近く、

不意に君が起き出すのを感じて、

その気配に気が付いたことに気付かれないよう、

僕は寝息らしい寝息を立てているふりを続けた。

莫迦

吐息まじりの声は夜の底からとどくお別れのようにも聴こえて、

思わず僕はふるえた。

 

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お題「今日の出来事」