おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

枯れ枝みたいに痩せっぽちの僕の身体

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〇二五

目覚めると君はもういなかった。

明け方、君は僕の冷えた身体に触れて

「ほんと莫迦」あくび混じりになじった。

なされるがまま毛布へ導かれ、寝間着を脱がされる。

それから当然のように君自身も寝間着を脱ぎ捨て、

枯れ枝みたいに痩せっぽちの僕の身体に

無理やり体温を注ぎ込んできた。

僕はみるみる覚醒し俄かに君の行為に抗ったけれど、

依然その胸を押しやるだけの力はなく、

結局、君の体温に溺れて

意識が落ちてしまうまで、君は僕を離してくれなかった。

 

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お題「あったかグッズ」

おおきな木

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