おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

2016-01-01から1年間の記事一覧

この子はばかだから、ばかでほんとうによかった

勝手に、神聖かつ厳粛な雰囲気を期待していた。物静かな夫婦や、白髪を品よくまとめた婦人、スコッチツイードのジャケットにループタイの老紳士、緊張した面持ちでひとりきり腰かけている小学校低学年らしき男児、そこへ「クリスマスおめでとう」と顔を覗き…

田舎に帰ったあの子の、出せなかった手紙

いつまでもおなじ過ちをくり返すのはやめて 大切にすると決めた相手を 今度はどうか、 あなた以上に大切な存在として、 きちんとあいしてあげてください。 いま、あなたがつきあっている彼女の気持ちが 痛いほどわかるので、返事はしませんでした。 わたしに…