おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

「ひそやかな相愛」

「ひそやかな相愛-03(終)」楢﨑古都

「どうぞ。」 どうせなら、一緒にミルクもねだっておくべきだったかしらん。「食べないの?」 食べさせて、くれないんですか? じっと淳之介顔を見つめ、小首を傾げる。「やっぱり拗ねてるな。いっそお前も一緒に、お婿さんでももらうかい」 なんてこと! そ…

「ひそやかな相愛-02」楢﨑古都

「今晩は彼女が来てくれるよ」 さなえさんは淳之介の婚約者だ。たまに、わたしたちの部屋へも遊びに来て、一緒に料理をしたり、映画を観たりして過ごす。 じゃあ今日は、さなえさんがいらっしゃるまで、お散歩もおあずけということですね。 わたしは膝の上で…

「ひそやかな相愛-01」楢﨑古都

「ひそやかな相愛-01」|楢﨑古都 @kujiranoutauuta #note https://t.co/cY8N61fo7p— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2019年12月21日 傍らで、淳之介が寝そべっている。 銀色の細いフレーム。横顔に一筋の硬質をもたらし、手元を見据える眼差しに引き金をか…