おさなごころの君に、

茜色の狂気に、ものがたりを綴じて

そうしてあっというまに、すべてが冷たい水にすとんと浸かった。

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〇二二

君が教授からもらってきたのは、ヒヤシンスの球根らしい。

詳しくないので、僕には言われたままを信じるしかわからない。

あまり乗り気でない僕を、君はわざとほったらかしにして、

酒瓶に汲んでこさせた水をこぽこぽと空瓶にそそいでいった。

球根は思いのほか大きくて、

口の広い様々な空瓶にそれぞれ具合よく納まった。

そうしてあっというまに、

すべてが冷たい水にすとんと浸かった。

 

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お題「好きな作家」

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